テクノ経営総合研究所海外展開サイト http://tmct.tmng.co.jp 日本企業の海外での活動を支援しています Tue, 09 Jun 2020 23:44:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.15 タイ産業構造の変化 http://tmct.tmng.co.jp/overseas1801-2/ Mon, 25 Dec 2017 05:10:33 +0000 http://tmct.tmng.co.jp/wordpress/?p=188 ■タイランド4.0による産業構造の転換 タイ政府が提唱する「タイランド4.0(Thailand 4.0)」とは […]

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■タイランド4.0による産業構造の転換

タイ政府が提唱する「タイランド4.0(Thailand 4.0)」とは、2015~36年の20年間で高所得国化をめざす長期的な経済開発計画である。
アジア通貨危機以降、落ち込んだタイ経済。バーツ暴落で国民生活は困窮した。その後、2011年の大洪水等もあったがタイ経済は順調に回復、その後はもっぱら経済の安定が重視されてきたのだが、近年の経済成長率はASEANの最低ランクに。今後は高齢化が加速する社会状況もあり、タイ政府は期限付きの長期ビジョンの発展戦略に打って出た。
タイの経済発展は、第1段階は農村社会、第2段階が軽工業の時代、第3段階が80年代後半以降の外資導入による発展期に区分されるという。そして「タイランド4.0」では、タイ政府が指定したターゲット産業の育成により産業構造の転換が進められることになる。
そのターゲット産業とは、次世代自動車、航空、スマートエレクトロニクス、ロボット、デジタル産業、バイオ、医療などの先進10分野。イノベーション・生産性・サービス貿易をキーワードにより創造的な社会建設をはかる構想だ。

■東部経済回廊にかける期待

そのタイランド4.0の舞台として、いまタイでホットな地域が「東部経済回廊(EEC:Eastern Economic Corridor)」である。タイ政府は東部にあたるチャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンの3県を新経済特区に指定、法人所得の大幅減税などの投資奨励策によりハイテク産業の誘致を拡大する。
これらの優遇策は日本企業にもメリットが感じられるが、昨年(2017年)9月、日立製作所は日泰国交樹立130周年の関連イベントの席上でタイのEEC政策委員会との協力合意書を締結、東部経済回廊に拠点を建設することを発表した。タイ政府のインフラ整備やASEAN地域のIoT基盤構築に働きかける方針である。
EECにおける物流においては渋滞の緩和が課題だが、EECではレムチャバン港とウタパオ国際空港の整備が進められている。まずレムチャパン港はバンコクの南東130キロメートルにあるタイ国内で最大の貨物取扱量を誇り、さらなる拡張で世界屈指の商業港を目指す計画が進められている。主に自動車輸出用の深海港で大型コンテナ船が入港できる。鉄道とトラックの併用でバンコクまでの物流を迅速化するシステムの運用ももうすぐ始まる予定である。
またウタパオ国際空港は、バンコクから160キロメートル、タイ第3の主要空港として周辺工業団地へのアクセスや物流ラインの形成に役立てる。そして高速鉄道については、現在バンコクを中心に日本や中国とのプロジェクトが決まっているが、EECに関しては、バンコクとラヨーンを結ぶ高速鉄道の建設が構想されている。
 

■デジタル技術化と人材育成が課題

タイの政治はとかく複雑である。デモやクーデターが多いのが特色だが、2014年にプラユット将軍による国軍のクーデターが勃発し、憲法と議会を廃止。実権を把握したまま軍事独裁政治が継続中なのだ。なんとそれまで過去42年間にクーデターが5回も起こっている。
しかし、それでも経済が安定しているのは、国民の柱として信頼の厚いプミホン国王が混乱を鎮めてきたからだといわれる。しかし2016年10月にその国王が崩御、70年という長い在位だったから、大半のタイ国民にとって国王のイメージはプミホン国王以外になかっただろう。
タイランド4.0の実現には、インターネット環境等のデジタル技術の活用が不可欠である。タイでもスマートフォンの普及など、生活のデジタル化が進んでいるが、タイランド4.0のための計画としては「タイ・デジタル経済社会開発20カ年計画」がある。これは生産性向上や産業構造の高度化、雇用拡大と所得格差の是正を通じて、ASEAN経済共同体における存在感とガバナンス強化を目標とするものである。
そして、タイが抱えるいま一番の課題は、ターゲット産業を支えるタイ人高度人材の育成をはかることである。研究開発においても、研究者やエンジニアの質を強化することが求められている。

(株式会社テクノ経営総合研究所 現地レポート)

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ハラール認証でイスラム社会を取り込め! http://tmct.tmng.co.jp/overseas1801-5/ Mon, 25 Dec 2017 05:02:22 +0000 http://tmct.tmng.co.jp/wordpress/?p=199 ■世界の人口1/4はイスラム教徒 世界の約19億人はイスラム教徒。そして、その約70%は東南アジアや東アジアに […]

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■世界の人口1/4はイスラム教徒

世界の約19億人はイスラム教徒。そして、その約70%は東南アジアや東アジアに住んでいる。ASEANでいえばインドネシアやマレーシアがイスラム教徒の多い国家で、たとえばインドネシアの場合、人口2億5千万人の約90%近くがイスラム教徒である。
イスラム教徒のことをムスリムと呼ぶが、ムスリム(女性はムスリマと呼ぶが、本稿ではムスリムとする)とは神に帰依する者を意味する言葉。日本には八百万の神々がいるが、イスラム教はユダヤ教やキリスト教と同じ厳格な一神教。そしてイスラム教徒は世界的に急増しており、2030年には22億人の規模に達すると見込まれている。
一般にイスラム教といえば戒律の厳しさがイメージされる。もちろん一日5回の礼拝や食事や断食(ラマダーン)を守るなど、妥協を許さない信仰があることは事実である。
しかし国や地域により同じイスラム教でもその厳格さにも違いがある。たとえば中東のイランやサウジアラビアなどではイスラム教は国教であり、数々の戒律を定めたイスラム法(シャリア)が機能している。1日に数度定められた祈りの時刻にはモスクからコーランの詠唱が流れ、女性の服装やラマダーン(断食)という食事に関する規定や偶像崇拝の禁止などが厳しく施行されている。また国によっては罪科に対する石打ちなどの過酷な刑が今も行われる、独自のイスラム社会が維持されているのである。
それに比べると、マレーシアやインドネシアではそれほど厳格ではなく、個人の解釈や自由意思に任される部分が多くなっている。服装の自由度も高く、女性の自動車免許取得や社会進出なども普通に見られる。中東では禁止された「ポケモンGO」もマレーシアやインドネシアでは流行っていた。ただ例外として、インドネシアのパンダアチェ(アチェ州)は東南アジアでイスラム法を施行する唯一の地域であり、2016年には未婚男女13名にムチ打ちの刑が行われた。

■ハラール認証について

近年、海外から日本を訪れる旅行者が急増、昨年(2017年)の外国人旅行者は9月の時点で2,000万人を突破した。そして海外からの旅行者にはムスリムの方も多くなっている。そんなムスリムの旅行中の心配は食事や礼拝場所などに対する日本側の対応。
昨年、東京で開催された「ハラールエキスポジャパン2017」では産官学が協賛して、これらの項目を含めたインバウンド対策が協議された。ハラールとは、イスラム法で「許されたもの」を意味する言葉。食事に関しては、正しい手順で処理された安全な製品であることが必要だ。また物流等についても細かな規定があるという。食品以外にも肌に触れる化粧品や医薬品なども対象となるハラールビジネスの世界的な市場規模は約300兆円とも言われるが、その安全性を保証するのが「ハラール認証」なのである。
「ハラール認証」の審査機関は日本にもあるが、訪日観光客の急増により、全国の主要都市や観光地ではいち早く「ハラール認証」を取得する飲食店が多くなってきた。
マレーシアやインドネシアのスーパーで販売される製品には、安全を証明する「ハラール認証」のマークが添付されている。イスラム圏への輸出には欠かせない条件になるため、日本の大手食品・化粧品・医薬品メーカーなどでは、すでに認証済みの企業が多く、最近では中小企業のハラール認証取得も増えてきた。また、その業種も食品だけでなく添加物、化粧品、医薬品メーカーなど多岐にわたっている。

■ハラール認証はマレーシアが有利

 国民の9割以上がムスリムのインドネシアでは、ハラール認証を取得していない企業との取引を禁止する慣例が見られる。安全な原材料、製造工程、品質などを審査するハラール認証の取得がイスラム市場参入の必修条件なのだ。
 ハラール認証は、基本的に製造プラントがある国で認証を受ける必要がある。例えば、日本の製品を輸出する場合には日本のハラール認証団体による審査が必要である。
 このように各国にはハラール認証の審査機関が存在する。ところがその認証基準は各国の審査機関によっても違いがあり、統一感が弱い状態なのだという。
そこでイスラム諸国会議機構(OIC)では、ハラール認証の国際水準に向けた策定準備を進めているのだが、現在はまだ各国の認証機関が各々独自の基準を設けて実施している状況にあるようだ。
 その中でも世界で唯一、国家機関によるハラール認証を行っているのがマレーシア。マレーシアのハラール産業開発公社(HDC)による審査はサウジアラビアに次いで厳しく、そのため制度に対する信頼性がきわめて高い。
マレーシアのハラール認証を取得していると世界のイスラム諸国への輸出もスムーズなのだという。マレーシアはハラールビジネスのハブともいえる場所。マレーシア貿易開発公社が開くハラール見本市には世界からメーカーやバイヤーが集まってくる。今後の大きな成長が期待できるイスラム市場、アジアにおいても新しいビジネス展開が進んでいる。

(株式会社テクノ経営総合研究所 現地レポート)

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フィリピン消費市場はねらえるか http://tmct.tmng.co.jp/overseas1801-4/ Mon, 25 Dec 2017 04:59:01 +0000 http://tmct.tmng.co.jp/wordpress/?p=196 ■フィリピン消費市場のポテンシャル ASEANで第2位、1億490万人(2017年・推定)という人口。そして平 […]

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■フィリピン消費市場のポテンシャル

ASEANで第2位、1億490万人(2017年・推定)という人口。そして平均年齢23歳という若さ、それがフィリピンの強み。なんと65歳以上は人口の5%しかいない。経済的には中間層の成長により消費市場が急成長しており、フィリピン市場に進出する日本の外食産業も増えている。一方、フィリピンのインフラ整備では日本と中国で競争が続いている。マニラ発の地下鉄の建設には日本のODAが使われるほか、日本は北部の開発都市に延びる高速鉄道を、中国は南方への長距離鉄道を支援するという。ドゥテルテ大統領は南シナ海問題を棚上げする代わりに中国からの支援を取り付けた。
近年、フィリピン経済の成長を支えているのは海外からの送金である。その海外送金が国内の消費拡大にも大きく貢献をしている。70年代に年間約3万6千人だった海外労働者が、2013年には1,024万人。これはフィリピン人口の約10%に及ぶ数値に増えているからだ。
最近、働き手不足の中、日本でも介護や看護等で外国人労働者を呼び込もうとする動きが出ているが、たとえば香港のフェリーターミナル近くの広場などにフィリピン人の女性が大勢集まっているのをよく見かける。多くは香港でメイドとして働く女性だという。休日には同郷の仲間と集まって情報交換をするのだそうだ。
一時は「アジアの病人」と蔑まれ80~90年代の政治・経済的な混乱により、対外投資を確保できなかったフィリピンでは他のASEAN諸国に比べて製造業の誘致が遅れてしまった。そのため国内で十分な雇用を確保することができず、海外に就労の場を求める結果になったのである。
英語が公用語のフィリピンでは、欧米企業がコールセンターなどアウトソーシング先として使うことが多い。小学校から英語の授業があり、周辺国と比べて英語の発音が正確なこともメリットらしい。
アキノ政権を引き継いで1年、「ビルド・ビルド・ビルド」という掛け声で、ドゥテルテ政権によるインフラ開発が急ピッチで進んでいる。ODAと公共投資を財源として、2022までの6年間で首都圏交通網や国際空港整備などの計画が進められている。特にマニラ首都圏の混雑解消、周辺地域へのアクセス強化が目標とされている。

■ フィリピンの小売市場

フィリピンには生活圏に密着した「サリサリストア」と呼ばれる小さな雑貨店が60~70万店もある。 扱う商品は生活必需品や酒・タバコなどで、洗剤や調味料などは1回分単位、タバコも1本から販売されている。もともとは貧しいスラム地域の生活者でも購入できるようにしたためだ。 東南アジアで認知されている「味の素」が直販方式で1回分の袋入り商品を置いているのも有名な話である。
これに対して、都市部ではコンビニエンスストアが市民生活に定着している。 最大シェアを占めるのは台湾資本が展開するセブンイレブンで、他にもミニストップやファミリーマートなどが進出している。 フィリピンのコンビニにはテーブルスペースがあり、店内で飲食ができるのが特色。これは一日五食(三食と二回の間食)を取るスペイン植民地時代の習慣が残っているため、朝食なども勤務先の近くで取る人が多く、外食依存率が高くなっている。
フィリピンへの小売業の外資進出はフランチャイズか合弁のみ。地場企業との提携が不可欠である。フィリピンで有力なのは華僑系財閥で、不動産デベロッパーがオフィスやマンションを含めて、大型ショッピングモールの開発を進めている。ショッピングモールには多くの専門店や外食チェーンが入店し、日系の外食企業では吉野家や和民など、小売業ではユニクロ1号店がメトロ・マニラの大型ショッピングモールに進出している。
家電品でいえば、その普及率は白物家電を中心に、2011年の段階では冷蔵庫・掃除機が約4割、洗濯機・電子レンジは約3割程度であるが、今後の成長期待分野ではある。
またフィリピン国内における2016年の自動車販売台数は36万台、前年比24.6%という高い伸び率で、まさにフィリピンにおけるモータリゼーションの到来が予感される。
台湾やベトナムなどでバイクが疾走する風景を見慣れた眼には、この国のバイクの少なさは逆にやや異常に写る。徒歩と乗り合いバスが庶民の交通手段となっているのだ。ただ街中では乗り合いバスや、サイドカー付きのリンタクが道路のどこにでも停車するため、結果的に車線割り込みや渋滞が助長されてしまう。また車検制度や自動車保険が未整備なためトラブルも少なくないという。

■個人消費を支える中間所得層

成長するフィリピン市場、その消費の牽引役は急増する中間所得層である。富裕層と中間所得層の過半数がメトロ・マニラ首都圏に住んでおり、大都市と地方の経済格差は年々拡大している。フィリピンの貯蓄比率は極めて低く、給料が出るとすぐに消費してしまう傾向が見られる。特に給与が支給された週末のショッピングモールには数多くの買い物客や食事をする家族などが詰め掛け混雑を極める。
 一方、フィリピンの失業率は約6%と高く、大卒者でも仕事にありつくのは容易ではない。そのため海外で働く出稼ぎ労働者が多く、その数は総人口の約一割に達しているのである。職業は看護士、エンジニア、船員、その他労働者など様々で、マニラの国際空港にはOFW( Overseas Filipino Workers)と書かれた海外労働者専用の入国審査ブースがあるほど。フィリピン経済の課題は、雇用の受け皿となる製造業の整備・育成により、GDP成長と逆行する失業率の高さを解消すること。 そのためには外国企業からの投資を促進し、輸出による外貨獲得を強化することが重要である。フィリピン社会の発展性もそこから生まれてくると思われる。

(株式会社テクノ経営総合研究所 現地レポート)

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香港で考える中国事業のこれから http://tmct.tmng.co.jp/overseas1801-3/ Mon, 25 Dec 2017 04:54:35 +0000 http://tmct.tmng.co.jp/wordpress/?p=190 ■国際ビジネス都市・香港 2017年の「国際競争力ランキング」(IMD国際経営開発協会)で香港は第6位。アジア […]

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■国際ビジネス都市・香港

2017年の「国際競争力ランキング」(IMD国際経営開発協会)で香港は第6位。アジアではシンガポールが3位で最上位にランキングされた。ビジネスの自由度やビジネス法制度の優位性、 高度なインフラ環境など、香港が持つ長期的な潜在競争力は、依然として世界のトップクラスとして評価されている。
香港もシンガポールも英国を旧宗主国とする点では共通している。しかし大戦後に独立を果たしたシンガポールに比べ、香港は20年前までは英国から自治権を認められた自由貿易港として存在した。それだけに中国の伝統と西洋的な要素が融合した独自の文化が生まれている。産業・就業構造の急激な変化に柔軟に対応しながら、国際競争力を維持してきたのがものづくり分野と関連した香港の姿である。70年代には、軽工業による輸出加工で新興アジア勢力の一翼を担った香港は、 中国開放政策後は広東省経済特区との一体化が進み、中国華南地域に向けたビジネス拠点としての存在力を高めてきた。

■中国返還から20年-変わる香港の街

昨年は中国返還20周年。香港の街も変わったが、この20年には苦難の歴史もあった。たとえば返還に発生したアジア通貨危機、2003年にはSARSが流行し香港経済は大きな打撃を受けた。また民間では香港の自由化を脅かす中国政府の介入を警戒する民主化デモがたびたび発生。2008年には北京オリンピックの愛国教育の強要に反発デモ、2014年には学生を中心に3ヵ月以上に及ぶ民主化を要求する雨傘運動が衆目を集めた。
 数年前、筆者が香港の街を歩いていて驚いたのは、中国政府が禁止するある宗教団体が路上集会をしていたことだ。しかも、その近くの広場ではその団体に反発する中国系の団体が反対のメッセージを訴えていた。これが香港の民主化なのだと思った次第である。

■中国一体化の進展

中国では習近平国家主席が提唱する「一帯一路」の経済圏構想が進展している。中国にとって香港は世界市場に向けた中継地であり、海外展開の柱と位置づけられている。そして、その華南版プロジェクトともいえるのが、開通を目前に控える香港と珠海(広東省)、マカオを結ぶ「港珠澳大橋」で、完成すれば全長55キロメートルを複数の海上橋と海底トンネルで結ぶ世界最長の橋となる。
そして中国との距離を縮めるもう一つのトピックスが、今年の開通が予定されている広州から香港を結ぶ「広深港高速鉄道」である。香港から中国に入るには、紅磡(ホンハム)から広州東まで現在の廣九鉄路で約2時間かかるが、その所要時間が開通後は約48分になり、深圳までならわずか14分程度で行けるようになる。
また中国の高速鉄道に乗り入れれば北京までもわずか10時間程度で行くことができ、中国への移動時間が大幅に短縮されることになる。これらの中国政府が進める巨大プロジェクトは香港経済に大きく貢献することは間違いない。ただ、高速鉄道の開通についていえば、香港の西九龍駅に中国側イミグレーションが設けられることが香港市民の反発を招いているようだ。

■香港から海外市場をターゲットに

こうした中国本土との近接感を受けて、香港から中国に事業展開する企業も増えている。
たとえば2005年9月に香港に1号店を開いたユニクロ香港の店舗数は現在27店に増え、いまでは香港の街の風景にすっかり馴染んでいる。これは中国や東南アジアでも見られる傾向だが、日本製品の品質や安全性がアジア諸国で高く評価されていることを示す。
中国では、近年、日本式の社員教育が注目されている。社是や社訓の斉唱、ビジネスマナー教育など、協調性や責任感など日本人の勤勉さが評価されているためである。
中国で販売されるユニクロの商品は国内よりもやや高めに価格設定されているが、これは中産階層をターゲットに高級感を出す狙いがある。中国人の販売員が中国で製造された商品を売るのだが、ただしデザインや顧客サービスは日本式で行う、このホスピタリティが評価されているようだ。ユニクロ(ファーストリティテリング)の海外売上比率は約38%、中国や東南アジアが好調で過去最高の売上に達する見込みである。

(株式会社テクノ経営総合研究所 現地レポート)

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変わるベトナムの産業構造 http://tmct.tmng.co.jp/overseas1801-1/ Mon, 25 Dec 2017 04:39:37 +0000 http://tmct.tmng.co.jp/wordpress/?p=181 ■日越関係の親密さ ベトナム戦争が終結した1973年の9月、日本とベトナムの外交関係が樹立した。そして、国交4 […]

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■日越関係の親密さ

ベトナム戦争が終結した1973年の9月、日本とベトナムの外交関係が樹立した。そして、国交40周年を祝う「ベトナム友好年(2013年)」には安倍首相がベトナムを訪問、昨年(2017年)には天皇皇后両陛下が初めてベトナムを訪問され友好親善関係を深められた。
日本が進めるODAの最大援助国はベトナムであり、南北ベトナム統一後の1992年以降、インフラ開発、教育・医療施設の改修、人材育成などの分野で貢献が続けられてきた。
1986年のドイモイ政策以降、市場経済化の進展により急速な成長を遂げるベトナムだが、その2016年における成長率は6.2%。フィリピン、ミャンマーと並び高水準を維持している。9,300万人という人口の多さ、国民の平均年齢28歳という若さがベトナムの消費市場が持つ無限の可能性を感じさせる。近年ではベトナムから日本を訪れる旅行客も急増、昨年(2017年)にはベトナム人観光客の日本における消費額(飲食・買い物など)が中国を抜いて第1位となった。

■変わるベトナムの産業構造

ベトナム政府が進める経済開発10ヵ年計画では、それまでの労働集約型産業から「2020年までに工業立国化の達成」をはかる目標が掲げられ、電子、機械、造船、省エネ、自動車などの高度な戦略産業の誘致により工業化を促進する方針が打ち出されている。
その結果、海外からのベトナム投資額は年々増加を続けており、2016年度の日本企業による対越投資は韓国に次ぐ第2位となっている。また外国企業による輸出額では、機械関連が24.3%、PC・電子部品が21.5%、携帯電話部品が13.8%と伸長、それまでの縫製品や履物などの産業の伸び率は低水準に留まり、産業構造の変化を感じさせる。

■ベトナムで急成長する情報通信産業

いま世界の情報通信業界がベトナムに拠点を移し始めている。特にソフトウェア開発、また前述したような電子機器の組立や研究開発の分野が急成長しているのである。
2017年6月におけるベトナムのインターネット普及率は人口の67.1%、なんと、これは中国の53.2%を大きく上回る数値だ。また携帯電話の普及率は2016年には94%に達し、国民の情報通信に関するリテラシーは急速に上昇。また、ものづくりの分野でも3D-CADが普及、日本でも2D-CADに留まる中小企業が多いことを考えると、一歩先を越された感がある。
ベトナムにおける技術知識を持つ若手のIT人材は60万人以上といわれる。ベトナム国内でもIT人材の需要がここ数年で倍増しており、情報通信やIoTなどの分野で今後も成長が続くものと予想される。

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