コンサルティング実績

タイ工場における現場改善

TOYOPACK International CO.,LTD(President 塚本 恵章氏)

タイ工場における現場改善
タイ工場の状況についてお聴かせください。
 トーヨーパックインターナショナル株式会社は、東洋製罐株式会社100%出資の子会社として、2006年8月に会社登記を行いました。プラスチック容器の製造、 OEMによる各種飲料の充填を事業内容としています。会社登記後の半年間は生産・充填設備の設計・制作を中心に日本と中国・台湾等を往復しており、こちらの タイには誰もきていない状況でした。私がタイに赴任してまいりましたのは2007年1月のことです。工場は6月に建屋が出来、7月に完成・引渡しが行われ、それと 同時に設備搬入を開始しました。9月中にはなんとか搬入を終え、本格操業を開始したのは、翌年の2008年2月からです。その後、ほぼ1年間の実績を積むことが できたわけですが、1年目は会社ができたばかりの年でもあり、工場の立ち上げをするのが精一杯という状況でした。当社の従業員は120名、年間の生産能力は約1億本と なっています。操業1年目2000万本 2年目4000万本の生産状況です。
コンサルティング導入の動機は何でしょうか?
 きっかけはタイで開催されたトップセミナーに参加したことですが、そのタイトルであった「マネジメントの中でタイ人をうまく活かす」というところに心惹かれました。 日本人が偉そうにタイ人の従業員を使っていくのではなくて、タイに来て働かせていただくといく姿勢で、タイ人の従業員に自らやる気を出させるというマネジメントスタイルの 話が印象的でした。海外展開においては、現地従業員のマネジメントにさんざん苦労してきた会社を見聞きし、試行錯誤をしていただけに、プロであるコンサルタントがどういう 指導を行うのかに興味を持ちました。その後、コンサルタントによる工場診断を受け、課題解決に向けてコンサルティング導入を決定しました。
従業員の方のコンサルティングに対する反応はいかがですか?
 活動前は、経営者・課長・マネジャー・チーフ・リーダークラスといった階層間にコミニュニケーションギャップがあり、トップダウンの指示もなかなか伝わらず、 ボトムアップも上がってこないという状況でした。しかし、最近では効果的なコンサルティングが功を奏して、部門間の壁も少しずつ薄くなってきたようです。 リーダーを中心にしたプロジェクト活動で、コミュニケーション向上をはかるというアイデアは的を射た手法だと思います。また、自分たちで改善を進めることを主眼と する活動方針により、それまでの言われて動くという待ちの姿勢から、自ら行う能動性が出てきたように感じています。
改善としての変化は?
 今年は2年目ですので、本格的に生産効率を高めていく。1年目は先ほど申し上げたように設備導入が中心でしたが、2年目はいかに生産効率を高めることができるかが 課題です。初年度は生産の立ち上げに追われてコスト削減がなかなかできなかったということがあります。
 この事業自体が新しい事業ということで、マネジメント用の人間を持ってきてもすぐには役立たない。タイ人をうまく活かすノウハウというものは、それに慣れるだけでも 半年くらいかかってしまうものです。そこで、永年の経験でタイ人の動かし方を心得ておられるコンサルタントの活用を検討したわけです。コスト的にはコンサルフィーが かかるけれども、マネジメントのできる人間を雇っても同じように費用がかかってしまう。それであれば経験豊かなコンサルに来てもらうほうがよいと考えたわけです。
日常業務においてご苦労されておられることは?
 やっぱりコミュニケーションが一番の課題です。我々の思いというものを浸透させることにものすごく苦労しています。思いがなかなか伝わらない。スタッフと従業員が 同じ方向に向けて行動するという姿勢になってもらう。これは時間もかかると思いますが、全員が一つの方向に向けるようにもっていきたいと思います。
「思いを伝える」というところに苦心されているということですね。
 そうです。コンサルティングが始まって数ヶ月という状況ですので、まだ成果ということではこれからです。現在のコンサルティングに対する満足度は90%~95% くらいです。現場で具体的な指導が進められるという部分では満足を感じております。
御社の今後のビジョンをお聴かせください。
 会社を充実させ、社会貢献や顧客満足の向上を志向することが企業体として究極の目標ですが、まずはこの会社を収益の上がる状態にして、税金を納められる会社に するということを目指しています。ただ、市場性の観点からは、タイの市場には限りがありますので、将来のビジョンとしては、より市場性の高い中国やアセアン諸国にも 進出を図っていきたいと思います。そのためにも、まずはタイ工場できちんとしたフレームワークを作り上げたうえで、それを水平展開していく。どこにいっても通用する 一つのビジネスモデルの構築が課題と考えています。
今回のタイ工場は、独自の技術を導入されたそうですが
 東洋製罐が20年以上前に世界に先駆けて日本に導入した、「アセプティック充填システム(Aseptic Filling Process)」を、海外工場で稼動しました。 アセプティックという意味は無菌という意味です。無菌の環境を作り、容器を事前に殺菌したうえで無菌で常温充填するシステムです。アセプ充填のパイオニアとして 無菌状態は世界標準である5D(10万分の1)を10倍上回る6D(100万分の1)を保証するといった高品質を実現しています。
本日は、大変ありがとうございました。