変わるベトナムの産業構造

■日越関係の親密さ

ベトナム戦争が終結した1973年の9月、日本とベトナムの外交関係が樹立した。そして、国交40周年を祝う「ベトナム友好年(2013年)」には安倍首相がベトナムを訪問、昨年(2017年)には天皇皇后両陛下が初めてベトナムを訪問され友好親善関係を深められた。
日本が進めるODAの最大援助国はベトナムであり、南北ベトナム統一後の1992年以降、インフラ開発、教育・医療施設の改修、人材育成などの分野で貢献が続けられてきた。
1986年のドイモイ政策以降、市場経済化の進展により急速な成長を遂げるベトナムだが、その2016年における成長率は6.2%。フィリピン、ミャンマーと並び高水準を維持している。9,300万人という人口の多さ、国民の平均年齢28歳という若さがベトナムの消費市場が持つ無限の可能性を感じさせる。近年ではベトナムから日本を訪れる旅行客も急増、昨年(2017年)にはベトナム人観光客の日本における消費額(飲食・買い物など)が中国を抜いて第1位となった。

■変わるベトナムの産業構造

ベトナム政府が進める経済開発10ヵ年計画では、それまでの労働集約型産業から「2020年までに工業立国化の達成」をはかる目標が掲げられ、電子、機械、造船、省エネ、自動車などの高度な戦略産業の誘致により工業化を促進する方針が打ち出されている。
その結果、海外からのベトナム投資額は年々増加を続けており、2016年度の日本企業による対越投資は韓国に次ぐ第2位となっている。また外国企業による輸出額では、機械関連が24.3%、PC・電子部品が21.5%、携帯電話部品が13.8%と伸長、それまでの縫製品や履物などの産業の伸び率は低水準に留まり、産業構造の変化を感じさせる。

■ベトナムで急成長する情報通信産業

いま世界の情報通信業界がベトナムに拠点を移し始めている。特にソフトウェア開発、また前述したような電子機器の組立や研究開発の分野が急成長しているのである。
2017年6月におけるベトナムのインターネット普及率は人口の67.1%、なんと、これは中国の53.2%を大きく上回る数値だ。また携帯電話の普及率は2016年には94%に達し、国民の情報通信に関するリテラシーは急速に上昇。また、ものづくりの分野でも3D-CADが普及、日本でも2D-CADに留まる中小企業が多いことを考えると、一歩先を越された感がある。
ベトナムにおける技術知識を持つ若手のIT人材は60万人以上といわれる。ベトナム国内でもIT人材の需要がここ数年で倍増しており、情報通信やIoTなどの分野で今後も成長が続くものと予想される。

(株式会社テクノ経営総合研究所 現地レポート)

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